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トップ  >  座禅の仕方
<坐相、正しい坐り方について>

 坐禅をしている時の姿を『坐相』といいます。坐禅の効果と深い関係があります。今から坐禅に挑戦しようと思われた方に、その効果があらわれるような正しい坐り方を理解し、身に着けて頂きたいと思います。

  経験を積んだ人にとっては、どんな騒がしいところでも集中して坐禅できることが目標になります。しかし、だからといって、初心者がいきなり騒がしいところ で坐禅することはおすすめできません。まずは、静かな場所で静かなときを選んで坐禅することです。それが初心者にとって効果的であることは、ご理解いただ けることと思います。

 坐相(坐る姿勢)も同様で、初心者が雑念をなくし数息観を続けるために非常に重要な基礎となります。ですから、先ず基本である正しい坐り方を理解し、正しい坐相で坐れるように心がけましょう。他人との競争ではなく、自分自身のために。

「坐相正しければ、心またこれに従う」といわれます。



<静坐について>

 道場では、坐禅をするほかに、『経行(きんひん)』といって胸に両手を重ねて当て(『叉手当胸』といいます)歩いたり、『作務(さむ)』といって作業をしながら集中を高めたりします。いずれも『禅』です。

そこで、坐って静かに坐禅をすることを『静坐(せいざ)』といいます。

 ここでは、静坐について説明します。



<坐る時間>

線香一本が燃えつきる時間(一炷香(ちゅうこう)、約45分)を基本とします。

20分位(半炷香)から始め、少しずつ長く坐るようにするとよいです。



<服装>

着 物に袴(はかま)のように、ゆったりした服装が望ましいですが、 洋服の場合は、太めのズボンや、ジャージのような、坐りやすいものを着用するとよいです。 女性でスカートを着用する場合は、長めのフレアスカートなどがよいです。ジーパンなど生地が硬く細いものは足をしめつけて血行が悪くなりがちで不向きで す。



<坐具の高さ>

折った座布団を尻の下に敷き、腰が入り背筋が伸びるようにします。

その高さは、足の痛さばかりでなく、禅の効果に非常に大きな影響があります。おろそかにせず、指導に従って調整しましょう。



座蒲(ざふ)と下の座布団       座布団の二つ折り



<脚の組み方>

理想的には右足を左の太ももの上に置き、左足を右の太ももへ置きます。これを『結跏趺坐(けっかふざ)』といいます。

また、どちらか片方だけを太ももの上に置く坐り方を『半跏趺坐(はんかふざ)』いいます。こちらでもいいです。

いずれにしても、両膝をしっかりと床に付け、尾てい骨と両膝で左右対称な三角形を作ります。このとき、両膝とお尻に体重が三分の一ずつ均等にかかるように、坐具の高さを確認します。

なお、身体の状況などによっては、胡坐(あぐら)や日本坐(正座)、椅子で静坐することもできます。いずれでも、坐り方の基本は同じです。ただし、肉体的な負担が少ないとはいえ、安定した姿勢がとりにくいので、さらに強い意志で取り組みましょう。

静坐中に足が痛く我慢できないときは、合掌してから足を組みなおします。



腰の位置:坐った時に、ひざが浮かない程度に浅く坐る。両膝が確実に、 座布団につくようにすること。両膝と尾てい骨で正三角形を作る。



結跏趺坐(けっかふざ)        半跏趺坐(はんかふざ)           日本坐(にほんざ)



<揺振>

静坐を始める前に、上半身を左右前後に揺することを『揺振(ようしん)』といいます。

左右に揺すりながら、背中の筋肉をほぐし、背骨に左右の傾きがないように調整します。

前後に揺すりながら、両膝にもお尻と同等の体重がかかるようにします。そして、前傾から起こしながら腰が入る(背骨のS字が正しくできる)ようにします。



<姿勢>

静坐を始める前に、姿勢を整え、合図を待ちます。

顔を真正面に向けたまま、頭を肩の上に乗るように引き付け、脳天が天井を突き抜けるようにします。

顔の向きと頭の位置はそのまま、視線を自分から1m先に落とします。外からみると半分閉じたように見えるので、これを『半眼』といいます。目は完全には閉じません。

口は軽く結び、舌は上あごの内側に軽くつけます。



<手の組み方>

静坐を始める合図があったら、合掌した後、数息観を始めます。

静坐の時の手の形を『法界定印(ほっかりじょういん)』といいます。

右手の手のひらを上にして左足の上に安定するように置き、左手を手のひらを上にして右手の上に安定して重ねます。両方の親指を起こして、相対して軽く触れ合わせます。

4本の指は隙間がないように揃えます。両手全体でで巨大な卵を包むようにします。正面から見ると楕円形になります。

肘は脇に付けず、両腕で丸太を抱えるようにします。



手を足から離してはいけません。右足をあげた「半跏趺坐」の場合や身体の状態などにより右手が浮くことがありますが、不安定になりますので、タオル等をたたんで手の下に入れて安定させます。

浮かした状態で静坐を続けていると、無意識に筋肉が緊張して集中できなくなるばかりか、他へも悪い影響がでてきます。



<呼吸法>

鼻から静かに息をすべて吐ききると、鼻から息が吸い始まります。この繰り返しが自然な呼吸です。(⇒「数息観について」参照)



<注意点・チェックポイント>

助警が巡回し、坐相を正すときのチェックポイントはおおむね次の通りです。

(1)両膝とお尻に均等に体重が乗り、腰が入っているか。

(坐具が低いために、腰が入らない場合がよく見られます。高めにしましょう。)

(2)顔が傾かず真正面を向き、頭が背骨の真上に乗っているか。

(耳を肩の真上に置く意識で、猫背を直すようにして、頭ごと引き付けると、アゴが引けるようになります。ファッションモデルの姿勢です)

(3)身体が前後左右に傾いていないか。両肩と両膝、両耳が平行になっているか。

(鼻がヘソの真上にある意識ですが、これは、自分の感覚だけでは絶対にわからないので、癖がつかないように気を付けましょう。)

(4)視線を正しい位置に落としているか。

(一点をにらめつけるのではなく、広く鼻頭も意識できるような感覚にします)

(5)法界定印が活きた形になっているか。

(身体全体、指先の隅々にまで神経を行きわたらせます。体操選手のように。)



<まとめ>

正しい坐相では、脊椎のS字が人間らしく正しくでき、重い頭蓋骨がその真上に垂直に乗るようになります。そのために、体幹筋でバランスを取ります。

すると、中枢神経(脳と脊髄)が活性化(脳脊髄液の円滑な循環など)していきます。誤った(ゆがんだ)坐相で静坐を続けていると、坐禅の効果があらわれないばかりか、かえって健康を害することにつながります。くれぐれも注意をして、何事も基本を大切にしていきましょう。

およそ800年前より伝わる『坐禅儀』でも、「腰脊頭頂骨節をして相支え、かたち浮屠(ふと)のごとくならしめよ」と戒めています。

『浮 屠』には、(1)ブッダと(2)仏塔という意味があります。(2)と解釈して、「五輪の塔のよう:形も大きさも異なる石材を正しい向きに安定して積むよう に、身体の各部を正しい向きに、それぞれの重心が一直線に重なるようにしなさい」と解釈することが多いようです。いずれにしても、「かたち浮屠の如く坐 す」ことを目指しましょう。
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